2)装甲防御力
・船体構造 大和 ご存知の方もいると思いますが、大和のウィークポイントは15.5cm副砲の 防御力と舷側装甲鈑の取りつけ方法不備です。前者は一応バーベットの強化 や火薬庫の防炎処置が施されており、また標的面積も小さいですが、後者は 対策の仕様がなく潜水艦の雷撃で大浸水を招いています。 また、大きさの割に防水区画の少なさや注排水装置の能力不足などハード 的な面、応急処置担当の士官が居なかった(副長兼任)ソフト的な面双方で の不備が指摘されています。 #大和、武蔵ともに非防御区画の浸水のみで沈没しています
アイオワ こちらは最近明らかになったことが多いです。 まず、パナマ運河を通し、なおかつ33ktの高速を出す為に防御力が犠牲と なっています。第一、第二主砲塔の間隔が妙に開いていること(防御範囲拡 大>装甲厚低下)、かなり細く絞られた艦首付近(予備浮力低下)、大和を 上回る船体長(標的面積拡大)などすべて幅33mに収めるための努力の跡です。 また、20万馬力の機関がシフト配置になった機関室も大きな標的面積を提供 しています。
・装甲 大和の垂直装甲は410mmの傾斜角20°、アイオワは307mmで傾斜角?です。 水平装甲はそれぞれ200mmと152mmになります。 大和の垂直装甲は砲戦距離20,000m以上で46cm砲に耐え、同じく水平装甲 は30,000mm以内で46cm砲に耐えます。40.6cm砲弾ならば安全距離はもっと大 きくなるでしょう。対してアイオワの装甲はどの距離でも46cm砲弾が当れば 貫通されます。 #日本の装甲鈑の耐弾力はアメリカに1割劣るという説もありますが
日本の装甲鈑製造能力の低さを勘案しても、これは大和有利でしょう。対 46cm防御と対40.6cm防御の違いですね。
3)速力 大和27kt、アイオワ33ktでアイオワ有利です。
ただ、よく言われるように「アイオワが速力の優位を生かして有利な位置 を確保しつつ射撃する」にはちょっと疑問があります。理由は後述します。
(まだ続く)
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