このページの内容は企業の数値的なデータより「人」に重点をおきました。
武田信玄は「人は石垣なり」と言いました。ここでは株価や売上や一株当たりの利益などの「数値」よりもその数値を生み出している「人」の素顔を直撃しました。
私はかつて日本の証券会社とアメリカの証券会社に勤務していました。証券マン時代に常に思っていたことは「会社四季報」には一番大切な情報である経営者や従業員の素顔が掲載されていないと思いました。どんな人間がこの会社を運営しているのだろう?といつも思ったものです。ベトナム企業も同じです、どんなトップが経営してどんな従業員が働いているか・・・・
数字だけで企業の価値を判断して大きな金額を投資できますか?
私は、誰も行かなかったベトナム上場企業を直接訪問して、経営者に会って素顔を紹介したいと企画しました
取材方法は非常にシンプルでした。
アポイントなしで企業に飛び込み「経営者に会わせてほしい」というものです。日本ではほとんど無謀に近い作戦を今回あえてやりました。
結果は予想通りすべての企業が「なんでアポイントをしないの?」という回答でしたが、次の反論でその企業をまず判断します。「あなたは結婚相手を知りたい時に化粧をした顔をみたいですか?素顔を見たいですか?
アポイントをとればあなたがたは化粧をしますよね」・・・この無謀にも近い言葉でほとんどの企業でトップに会えました。
しかし実際に出張などで不在の場合は、受付の態度や言葉遣い、我々に対しての気配りなどでトップがいなくても「社員教育」という形でトップの考え方や会社内の規律などが推測できます。トップ不在の場合は最悪でも部長職以上の方との面談をお願いしました。
どんなに大きなビルに入っていて大きな売り上げや利益を出している大企業に見えている会社でもお化粧だらけでは、山一證券、西武電鉄、雪印のように一瞬にして瓦解します。
そんなばかな!と思うかもしれませんがまさかと思うことを我々は何度も経験してきました。
しかし末端社員までしっかり教育できている会社はまず大丈夫です。人を石垣と思って教育している会社はめったなことでは揺らぎません。私は証券マン時代に培ったこの理論をベトナム上場企業に実際に当てはめてみました。
ですからトップに会った後、社員食堂などに行き実際の従業員と昼食をとり「会長どう思う?」「福利厚生はいい?」などと世間話の中から「真実」をつかもうとしました。その「真実」に近いものをお伝えできればと考えています。
もう一つは、「人」を団結させる言葉、「社是は何か」ということにも重点を置きました。
つい最近社会主義国家だったこともあり「社是とはなんだ」という拍子抜けするような会社もありましたし「今考えている最中だ」というところもありましたが基本的に「社是」がしっかりしている会社は社員もしっかりしていました。
以上の2点についてほとんどわたしの私見にもとづいたベトナム企業訪問日記ですので、一般の数字データによる企業観とはまったく違います。その点だけはっきり区別してお読みください。
私中川秀彦という個人を触媒にしてベトナムを見ていただければ幸です。
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